又吉直樹 火花(ネタバレ)

読んだよ。

主人公徳永と先輩神谷は売れないお笑い芸人。
堅実で型を破れない徳永は、神谷の独特の感性や哲学に心酔するも
神谷も破天荒なだけではこの世界を登っていくことはできず。
売れ始めた後輩徳永と、転落していく神谷の
変わらない関係と、変わってしまう関係の複雑さ

神谷のキレ芸がラストライブに昇華されるところとか
出会いの場の熱海でお笑いの原点に目を輝かすことができるラストシーンとか
美しくて、楽しくて、勉強になるストーリーでした

読みやすくて情景が浮かびやすかったのが流石ですね
受賞記念というミーハーなきっかけでしたが、いい文学作品に出会えました

アイドル業界も、なにか似たような刹那性があるんだろうな
一瞬一瞬を駆け抜けて、観客や舞台と命がけで向かい合わないと
何を信じたらいいのかわからない世界だもんな